何事でも、現状を把握しようとするためにはまずは実態を知ることが大切と言われていますが、地図作りも例外ではありません。では実態としてどのようなことがわかってくれば正確な地図ができるのでしょうか。

最初に思い浮かぶのが、地図の原点ともなる地表の実態であり、それはまさに地球そのものの実態を把握することに他なりません。

地球が丸い、という事に異論をはさむ人はもういないと思いますが厳密には純粋な球体ではなく、自転により赤道上が一番膨らんだ回転楕円体であるとニュートンがとなえてからは、実態を示す説がいろいろ出されました。

ただ諸説のいずれも微妙なばらつきがあり、結局はそれから10年近くにわたって行われた地道な観測結果を待つこととなってしまいました。この観測結果でようやくニュートン説の正しい事が立証されたと言われています。

このような地道な観測作業も、いまでは人工衛星をつかったGPS(全地球測位システム)や電波星と呼ばれる微弱電波を発信している星からの電波を受信することでVLBI(超長基線電波干渉法)といった宇宙規模のシステムのお蔭でより一層精度あるデータが得られ、それに基づき地図作りの原点ともなる三角点や水準点はじめ最近では電子基準点といった各基準点が決められると共に経年変化まで含めた精度ある位置決めがされているのです。