頑張って描いた地図でも、利用者にとって使いやすいものでなくては無意味です。地図をわかりやすく描くコツしっかり覚えましょう。地図とは自由なものです。必要ないものを省いたり、必要なものを誇張したりできます。作り手が自由に描くことができるのです。ですから、作り手のセンスによって出来映えが変わってきます。自由だからといって、何をしてもいいということではありません。守らなければならないルールがあります。それは、現実に存在している相対関係を壊さない、ということです。たとえば、コンビ二工ンスストアの右隣に銀行と農協が並んでいて、その農協の前がT字路になっているとします。このときに、コンビ二工ンスストアを実際よりも大きく描いた場合、右隣の銀行の位置も動かさなければなりません。これに伴って農協の位置も動かすことになります。ですが、位置移動はあまり問題ではありません。ここで大切なのは、もともと農協の前にあったT字路を一緒に移動しなければいけないということです。これをしないと、農協の前がT字路という位置関係崩れてしまいます。現実に存在する相対関係を壊さないというのは、このことを指します。逆に言えば、相対関係を壊さないかぎりは、それ以外は自由だということです。誇張や省略、位置移動をセンスよく行うことが、わかりやすい地図を描くポイントと言えるでしょう。地図を上手く描ける人は、相手の目線に合わせることができる人ともいえます。その地図を頼りに会場に来る人の目線で見て、きっちりと描かれていなければなりません。たとえば、T字路があった場合、地図の描き手からすればT字路はわかっていますが、来訪者からすればT字路とは判断できない場合があります。まして、道幅が大きく違うとなおさらです。このような場合は、目標物との相対関係がとても重要です。