ベースマップが果たす役割は、主題内容の位置と広がりとを伝えることです。しかし主題そのものより目立っては本末転倒ですから、ベースマップの表現方法が問題となります。一般図をそのまま用いても、主題の主役が奪われないことも稀にあります。その場合は特段の工夫も必要ないのでしょうが、大抵はベースマップ用に改善しなければなりません。改善時に気を付けるべきことは、一般図のルールからも、主題図のルールからも、大きく逸脱しないことです。ただその点は今更説明する必要もありませんから、ここではベースマップの表現の中でも自由度の高い領域に絞り、説明することにします。

主題が地形と関連する時は、ベースマップで地形を表現しなければなりません。水部については、水部と陸部とを容易に見分けられるよう、横線を引いたり、アミをかけたりして、目立たせることが求められます。その際、既に別の場所で横線が引かれていることもあります。その場合は、無理に目立たせず、そのままにしておくのも一つの選択肢です。水地でないところとの見分けがつかなければ、何の意味もなくなるからです。或いは横線以外の記号として、陰影線を付けるのも選択肢でしょう。そもそも線記号が錯綜している時は、線を控え、アミで表現するのも賢い手です。
いずれの方法によるかは、その都度諸条件を勘案し、決定するしかありません。

地図作成時にベースマップで地貌を表現する際、頻用されるのは等高線です。特に主題が標高に関係する時は、必ずと言っていいほど使用されます。例えば古代の遺跡が高地に眠っている時など、それを主題とした地図で使用されます。等高線は絶対的な高度を示すので、相対的な高度の方が求められる時は、敢えて使用しないこともあります。例えば平地か山地かを判別できれば十分な時は、山地にアミをかけて済ませるのです。

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