現代はまさにGPS(全地球測位システム)抜きにして地図作成はおろか、日常生活も大きく影響されるのでは思えるほどの、まさに電子測位システム全盛の時代と言っていいのではないでしょうか。

もともと一般の人に馴染みのGPSとは、アメリカで開発された全地球測位システムを指しますが、現在では主要国で使われているシステムも含めたGNSS(全地球航法衛星システム)を指すというのが一般的のようです。基本原理は、地上おおよそ20,000kmの軌道を回っている人工衛星やそれよりもはるか遠くと言われる電波星からの微弱電波を受信して到達時間差などの解析から位置情報を求めていくものとされています。

なお、電波星を使ったシステムはVLBIと呼ばれます、超長基線電波干渉法と訳されており、まさに遠い(数十億光年と言われています)宇宙を結ぶ夢のようなことが現実に行われています。こちらの手法も原理的にはGPSと同様なもののようですが扱うレベルが違います。

なんと複数アンテナで受信された到達時刻差0.02秒程度を1000億分の1秒まで計測できる時計で正確に読み取り、光速を乗じて得られる距離をもって、受信アンテナ間の距離も求めるという想像を超えた世界が繰り広げられている、といってもいいでしょう。